瞬間を捉える:岸本勉氏が語るスポーツ撮影とNextorage製品

スポーツフォトグラファーの岸本勉さんがNextorageに来社され、スポーツ撮影とNextorageのパフォーマンスについてお話しを伺いました。

岸本さんの愛用ギア

Nextorage:
まず、撮影機材とカメラについてお聞きします。今回のスポーツ競技会で使用されたカメラはどのような機種でしょうか?

岸本:
カメラはニコンのZ9をメインに使用しています。基本的に3台ですが、会場、競技によりますが、4台持って行くこともあります。その際、1台はリモート撮影に使っています。レンズはニッコールレンズで、スポーツの場合はだいたい400 mmが基本です。場合によっては600 mmを使用することもあります。また、最近はズームレンズより135 mm f1.8や50 mm f1.8、26 mm f2.8などの単焦点レンズを好んで使用しています。

Nextorage:
Z9を3台または場合によっては4台持ち歩くとのことですが、 Z9を選んでいる理由は何ですか?

岸本:
縦位置グリップと一体型になっていることや、フラグシップ機であるためです。時々サブ機としてZ8を肩からぶら下げて使うこともありますが、基本的には全てZ9を使用しています。

Nextorage:
カメラは三脚などに固定して撮影することが多いのでしょうか?

岸本:
望遠レンズ400 mm f2.8の場合は一脚を使って撮影しています。ただし、競技によってはスキージャンプなどの際に、手持ちで撮影することもあります。


ハードな撮影現場で見出すスポーツ写真の楽しさ

Nextorage:
シーンによると思いますが、1日に何枚ぐらい撮影するのでしょうか?

岸本:
この夏、水泳や飛び込み、アーティスティックスイミングなどをほぼ毎日のように撮影していたのですが、その際は1セッションでだいたい6,000から9000枚撮影しています。午前中だけで、午後のセッションでも同じくらいの枚数を撮影します。

Nextorage:
JPEGか、もしくはJPEG+RAWで撮影していますか?

岸本:
基本的にはJPEGの最大サイズで撮影しています。

Nextorage:
競技会中に特に印象に残ったシーンや難しかった場面はありましたか?

岸本:
飛び込みでは非常に美しい動きが求められますが、追いかけていく際には、シャッターを押すタイミングが重要です。反押しで被写体を追うのですが、押しっぱなしで撮れるわけではなく、狙いをつけてから押し始めます。水泳は顔や頭が出るタイミングを見極めながら撮影しています。

Nextorage:
選手によって動きが異なるのですね。

岸本:
水泳は種目によって、またそれぞれの選手ごとに水飛沫が違います。そこが水泳を撮るうえで面白いところでもあります。

Nextorage製品を使ってみて…

Nextorage:
Z9は2スロットともCFexpress Type Bですが、常に2枚挿しですか?

岸本:
基本、2スロットにCFexpress Type Bカードを常時2枚挿入しています。1セッションの時間によりますが、NX-B2PRO 330GBと165GBを使っています。
Nextorageのカードは容量に申し分なく、カードを交換する必要がないのが良い点です。例えば、Z9の3台体制では、1台はオートキャプチャー機能として固定し、リモートカメラで多くの枚数を撮影しますので容量不足の心配がない1330GBを入れています。

Nextorage:
撮影したデータのバックアップについて教えてください。

岸本:
午前中のセッションが終わった後に選別し、その日の終わりにすべてのデータをSSDにバックアップします。パソコンの内蔵SSDにもコピーしておくことで、万が一の事態に備えています。

Nextorage:
データ転送についてはいかがですか?

岸本:
NX-SB1PROというUSB 40Gbps対応のカードリーダーを使っているのですが、非常に速くデータを取り込めます。水泳の取材から戻った後、撮影データをパソコンに転送する際も、すぐに作業に入れるのが助かります。

Nextorage:
撮影した画像のセレクトはご自身で行うのでしょうか?

岸本:
はい、撮影中に良い写真には鍵マークをつけておき、後ほど用途によってサイズを変えたりしています。

Nextorage:
撮った写真を加工することはありますか?

岸本:
加工はします。コントラストや色味を調整することもありますし、SNS用に急ぎの場合は携帯に取り込み、簡単な編集をしてそのまま携帯から送信しています。

Nextorage:
撮影した写真はどのようにアーカイブしていますか?

岸本:
昔の写真は保存していますが、時間が経つと探すのが遅くなります。現在はNextorageのSSDを使用しているため、スムーズに探せます。チェックマークをつけたものは別フォルダーに入れています。

Nextorageに期待すること

Nextorage:
最後に、我々の製品についての改善点やリクエストはありますか?

岸本:
Portable SSDのP2SEは小さく、軽くて持ち運びに便利ですが、数台持ち歩くとカラーが一色なので、カラーバリエーションがあれば良いと思います。また、カードリーダーもスピードを維持しつつ、もう少しコンパクトになると嬉しいです。

写真家

岸本 勉

BIOGRAPHY
1969年生まれ、東京都出身。 10年余りスタッフフォトグラファーとして国内外の様々なスポーツイベントを撮影。 2003年に独立、「PICSPORT(ピクスポルト)」を設立。 オリンピックは夏季冬季合わせて15大会、FIFAワールドカップは8大会、ほか国内外問わず様々なスポーツイベントを取材。 2015年世界水泳カザン大会より、World Aquaticsのオフィシャルフォトグラファーを担当。 国際スポーツプレス協会会員(A.I.P.S.)/日本スポーツプレス協会会員(A.J.P.S.)

SNS
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